基本的なラプラス変換表と覚え方:y'',exp,cos,sin
ラプラス変換で簡単な2階微分方程式を解く際に使うような簡素なラプラス変換表と,その覚え方(導出)について述べます.
ラプラス変換の定義
t≥0で定義される関数y(t)のラプラス変換は,
Y(s)=∫∞0e−sty(t)dtです.一般にY(s)=L[y(t)]と表すことが多いですが,この記事では便宜上y(t)∼→Y(s)で表そうと思います.
必ず暗記すべき変換
これらは定義に従って計算すれば導出できますが,多少長いので導出は省略します.これだけでも暗記しておくと,後述しますが他の変換も導けたりします.
原関数f(t) | 像関数F(s)=L[f(t)] | |
---|---|---|
y(t) | ∼→ | Y(s) |
y′(t) | ∼→ | sY(s)−y(0) |
y″(t) | ∼→ | s2Y(s)−sy(0)−y′(0) |
eat | ∼→ | 1s−a |
容易に導ける変換
これまでに述べた情報から簡単に導ける変換が多くあります.ここでは代表的なものを紹介します.
原関数f(t) | 像関数F(s)=L[f(t)] | |
---|---|---|
0 | ∼→ | 0 |
1 | ∼→ | 1s |
cosat | ∼→ | ss2+a2 |
sinat | ∼→ | as2+a2 |
eatcosbt | ∼→ | s−a(s−a)2+b2 |
eatsinbt | ∼→ | b(s−a)2+b2 |
teat | ∼→ | 1(s−a)2 |
これらの多くはeatのラプラス変換から導くことができます.
f(t)=0の場合
0を定積分しても0です.ラプラス変換の定義式を思い出せば,F(s)=0は明らかです.
f(t)=1の場合
ここからはeatのラプラス変換
eat∼→1s−aを利用して導きます.この式でa→0とすれば
e0∼→1s−01∼→1sと導けます.
cosat, sinatの場合
eatのラプラス変換において,a→jaとします.ただしj=√−1です(私は電気系なので…).
ejat∼→1s−ja共役複素数s+jaを右辺の分母分子に乗じて,
ejat∼→1s−jas+jas+ja=s+jas2+a2
とします.ここで式を実数部(リアルパート)と虚数部(イマジナリパート)にわけます.このため,左辺にはオイラーの公式
ejθ=cosθ+jsinθを適用します.
cosat+jsinat∼→ss2+a2+jas2+a2これより,
cosat∼→ss2+a2sinat∼→as2+a2を得ることができます.
eatcosbt, eatsinbtの場合
基本的に上と同様です.eatのラプラス変換において,a→a+jbとします.
e(a+jb)t∼→1s−(a+jb)=1(s−a)−jb共役複素数(s−a)+jbを右辺の分母分子に乗じて,
eat+jbt∼→1(s−a)−jb(s−a)+jb(s−a)+jb=(s−a)+jb(s−a)2+b2
とします.ここで指数法則よりeat+jbt=eatejbtですから,オイラーの公式を適用し,
eat(cosbt+jsinbt)∼→s−a(s−a)2+b2+jb(s−a)2+b2これより,
eatcosbt∼→s−a(s−a)2+b2eatsinbt∼→b(s−a)2+b2を得ることができます.
teatの場合
eatのラプラス変換の両辺をaで偏微分します.
∂∂aeat∼→∂∂a1s−a両辺とも合成関数の微分で計算でき,
teat∼→1(s−a)2となります.
まとめ
このように,全てのラプラス変換を暗記せずとも簡単な計算で導けることがあります.cosとsinで混乱しても,これを用いれば確認することができます.
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